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Weekly edition:表紙づくりのウラ話

昨日の夜、The Economistの編集長から「購読者限定」で面白いメールが送られてきました。こんなウラ話までさりげなく教えてくれるなんて、この雑誌、高いけど購読して良かったな☆和訳すると原文のウィットがうまく伝わらないんだけど、トライしてみました↓

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今回はこの表紙デザインの編集部ウラ話!

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(原題)

Cover Story: How we chose this week’s image

 

(和訳)

今週の表紙はトーンを変えたいと思っていました。これまでは新型コロナウィルス感染症の拡大と人々や経済への脅威にスポットを当ててきましたが、いよいよ、世界中のビジネスがすでに直面している惨状に目を向ける時が来たと判断しました。

表紙デザイナーはまず、世界経済の半分を担う国々が封鎖されたとき何が起こるかに着目しました。惨状の規模を捉えたスケッチはこのようなものでした:

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迫力のある画像ですが、2つのことが私たちの心にひっかかりました。一つは、破壊の風景が現実化しそうで心が痛んだこと。もう一つは「carnage(殺戮)」という言葉。確かに企業は倒産し生活が破壊されているのですが、一方でウィルスに感染した人々が病院で毎日死を迎えているのです。私たちはこの二つの事実を混同したくありませんでした。

そこで、別案を探ることになりました。そんな中、表紙デザイナーはロンドンの自宅近くを歩いているとき、ある光景に目を奪われました。

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独創的な庭。でもこれを見たデザイナーの心に浮かんだのは、企業のように動物も生き残りをかけて戦っているということでした。ここから着想した最初のスケッチは、死んでいく動物と生き残る動物が描かれた、陰鬱な雰囲気の漂うものでした。

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金魚鉢のスケッチもありましたが、これには正直、慌てました。私たちのオフィスでビルとクライブという金魚を飼っているのですが、ロックダウンの間はこのデザイナーが自宅で世話をしているからです。金魚たち、デザイナーの家で元気にしているだろうか?!

そして幸いなことに、このヒョウのスケッチが有望案として浮上しました。

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この絵が示唆するメッセージは強力です。ちょうど、ブロンクス動物園で飼育されているトラが新型コロナウイルスに感染したというニュースが流れていました。言うまでもなく、この絵は、私たちが目下の苦難の中で生き残るには根本的に変わらざるを得ないことを思い起こさせます。このデザインは前向きな姿勢と新たなトーンを打ち出すものでした。

背景は白地にしてみました。

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スケッチにあった黒い大地は確かに暗い現状を反映していました。でも、白地の背景はビジネスの世界へ向けた「私たちは生き残れる」という希望のメッセージを、より強く伝えてくれると感じました。

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(所感)
今回のThe Economistはここがスゴい:

正直、このカバー表紙を見たときに全く気付いてなかったんですが、まずはこのヒョウの模様、よぉく見てください!新型コロナウィルスです!!初めて訳した記事のイラストがコロナだってことにはちゃんと気づいていたんですが(時間があったらこのNoteも読んでみてね↓)ここにもあった。。。

note.com

そして。ここ大事!和訳中に下線を引いたところの原文は

leopard has had to change its spots

になってるんです!

私は全く知らない表現でしたが、実はこれ、Oxford Dictionary of Englishによりますと

A leopard can't change his spots = People can't change their basic nature <proverb>

つまり「人間の本質は変わらないこと<ことわざ>」って解説されています。

つまり今回の新型コロナウィルス禍を乗り越えるには、キホン変わらないはずのことも変えていかなきゃいけない、ってことを、この絵は見事に示唆してるんです!

英語ネイティブならきっとこのLeopard、ヒョウの絵を見ただけでピン、ときたはずです。新型コロナに変わっちゃったヒョウの斑(ぶち)を、これから何としても変えてかないと、って。

いやThe Economist、さすがだわ。

 

それではまた。
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