#The Economistをサクッと読む

英エコノミスト(The Economist)の最新記事を日本語で紹介しつつ、日々の気づきを徒然につづります

The Economistが見た#KooToo

この4月からThe Economistの定期購読を始めました!自分の勉強のために和訳した記事をNoteに公開しているのですが、ついでにブログも始めます☆

ブログ最初の記事はごく軽めのこちら↓

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The Economist>Apr 11th 2020>Asia>Sexism in Japan

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(原題)

Heels at high water
Japanese women rebel against painful dress codes
Some employers care more about how they look than how they feel

 

(和訳)

働く日本人女性がヒール規定に反発:女性の苦痛より見栄えを優先する経営者
2020年4月8日

石川優実さんは葬儀場の係員として8時間勤務をしていたとき、いつもヒールを履いていた。雇い主に強く言われたからだ。足の指から血が出た。「なんで足怪我しながら仕事しなきゃいけないんだろう、男の人はぺたんこぐつなのに」と発信したツイートは急上昇した。

これに勇気づけられた彼女は「雇用主が女性にハイヒールを履かせることの禁止を求める要望書」に18,800人の署名を集め、昨年6月に政府に提出した。そして#KuTooキャンペーンの顔となった。このネーミングは、#MeToo運動にちなんで、「靴」と「苦痛」をひっかけたものだ。

ある調査によると、仕事をしている日本人女性の6割以上が、仕事中にヒールを履かされたり、同僚がヒールを強制されていると回答している。高島屋の女性スタッフが店内を巡回するときは5cmヒールを履かなければならない。元防衛大臣稲田朋美は、寄港したアメリカの空母の甲板ですらヒールを履かねばと感じていた。

日本企業のドレスコードは厳しいものが多い。「印象が良くない」ことを理由に女性のメガネ着用を禁止しているところもある(男性には禁止していない)。コンタクトレンズに違和感を感じる人にとっては特に、これは納得がいかないルールだ。「女性は、たとえ痛みを伴っても、ドレスコードに従えと言われてきました」と石川さんは言う。日本の上司は年配の男性が多く、往々にして女性の部下に「我慢」を求める。

政府はこの要望書に取り合わなかった昨年、石川さんの要望書を受け取った元労働相は、職場でハイヒールを履くことは「必要かつ適切」だと主張している。今までのところ、要望書自体への公式な回答はない。職場での男女平等を測るThe Economist誌の「ガラスの天井指数」では、日本の順位は先進国29カ国中で下から数えて2番目だ。

しかし、日本の企業はゆっくりとではあるが#KuTooに反応している。3月下旬、日本航空は女性客室乗務員のヒール規定を撤廃し、スカートの代わりにパンツの着用も選択可とした。大手携帯電話会社3社はいずれもヒールに関するルールを緩和している。石川さんは現在、靴メーカーと協力してヒールのないおしゃれな靴を開発中だ。石川さんは「社会は変化しています」「私たちを無視することはできません」と言う。

靴についての無意味なルールの消滅は近いかもしれない。

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(所感)

今回のThe Economistはここがスゴい:

和訳中に下線を引いたところの原文は、それぞれ上から

The government has dug in its heels.
Pointless rules about footwear may soon be given the boot.

になってるんです!

dig in one's heels:妥協を拒む;頑なに自分の意見に固執する

give the boot to :(話)お払い箱にする

ってことで、ヒール(heels)というトピックにひっかけての、靴関連の表現の巧みさ!The Economist、さすがだわ。

 

ちなみに最新号(2020年4月11日)のLeaders記事はNoteにあるので、そちらもよかったら読んでみてくださいね↓

note.com

 

それではまた。

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